リーガで失速のマドリー…アンチェロッティ監督「少し一貫性を失った」

2023.05.03 10:40 Wed
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レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督がラ・リーガでの敗北を嘆いた。

2日の第33節で日本代表MF久保建英の所属するレアル・ソシエダと対戦したマドリーは前半こそ試合の主導権を握ったが、ハーフタイム明け早々に失点。その後、61分にDFダニ・カルバハルが退場して数的不利になると、終盤にはさらなる失点を許して0-2で敗れた。

リーグ戦直近3試合で2敗目を喫したアンチェロッティ監督はタイトルが遠くなったリーガでのモチベーション低下を認めつつ、コパ・デル・レイとチャンピオンズリーグ(CL)では違う姿を見せられると強調している。
「前半の我々は良いパフォーマンスだったと思うが、相手に先制点を与えてしまった。それ以降は、試合が難しくなってしまったと思う。低いブロックは機能していたが、後半は悪いスタートだった」

「次の2試合(コパ・デル・レイとCL)では、最大限の集中力とモチベーションを持った、違うチームが見られると確信している。コパ・デル・レイを制し、CL決勝に進出するため、100%の準備ができているチームだ。もちろん、普通はモチベーションだけが光となるわけではない。だが、このチームはその点でかなり特別なのだ」

「敗戦はいつも痛手で、心配にもなる。チームの士気や積極性を落としかねないからね。だが、選手たちがすでにコパ・デル・レイやCLについて考えているのは明確だ。それが試合中の集中力に影響し、結局は失点につながってしまった」

「ここ最近、ラ・リーガでは少し一貫性を失い、レベルが本当に下がってしまった。幸いにもまだ2つの大会に参加しているのだから、それがシーズンの終わりを修正するのに役立つことを祈りたい」

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「苦しんだが、勝つに値した」9年ぶりカップ優勝のレアル、2年間で全タイトル獲得にアンチェロッティ監督「明日は成し遂げたことを実感するだろう」

レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督が、コパ・デル・レイ制覇にコメントした。クラブ公式サイトが伝えた。 6日、コパ・デル・レイ決勝が行われ、マドリーはオサスナと対戦した。 ラ・リーガでは2位につけるも、逆転での優勝がほぼ難しい状態のマドリー。チャンピオンズリーグ(CL)と共に狙えるタイトルである、コパ・デル・レイ獲得を目指した。 試合は開始2分にロドリゴ・ゴエスのゴールで先制。幸先良くスタートするがその後はこう着状態に。すると後半早々に同点に追いつかれてしまい、流れが悪くなる。 それでも70分にロドリゴが2点目を決めて勝ち越しに成功。そのまま逃げ切り、2-1で20度目の大会制覇を達成した。 試合後、タイトルを獲得したチームをアンチェロッティ監督も評価。難しさを感じながらも、よく勝てたと語った。 「とても美しい環境で、とても強力なライバルと対戦することとなった決勝だった。苦しむ瞬間もあったが、勝つに値した」 「今日だけでなく、大会を通じてとても強い相手を倒してきたこと、タイトルに相応しい戦いをしてきたことが、評価されたのだろう」 「最初の30分間は、止めることができないヴィニシウス・ジュニオールを中心に、とても良いプレーができた。それから何が起きたのかわからないが、彼を少し落ち着かせた」 「このチームがしなければいけないのは1つだけだ。良いサッカーをすることだ。それ以外は、コントロールと集中力を失ってしまう」 「後半の立ち上がりはうまくいかず、苦しみながら同点に追いつかれてしまったが、幸いにもロドリゴが流れを変えてくれた」 これにより、昨シーズンはラ・リーガとCL、そしてクラブ・ワールドカップを制し、今シーズンはコパ・デル・レイを9年ぶりに優勝。獲得可能なタイトルを2年間で全て獲得した。 アンチェロッティ監督は、ファン・サポーターへ感謝の気持ちを述べつつも、CL準決勝のマンチェスター・シティ戦へ意気込みを語った。 「このチーム、このクラブ、そしてこのファンには感謝しかない。今夜、我々は2年間で全てのタイトルを獲得するという重要なことを成し遂げた」 「今は火曜日の重要な試合に向けて準備を進めている。頼んで、興奮した雰囲気の中で試合に臨んでいる」 「私はとても幸せだが、とても疲れてもいる。明日はこの2シーズンで達成したことを実感することになるだろう」 2023.05.07 10:03 Sun
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ロドリゴ2発にヴィニ&カルバハル躍動のマドリーがオサスナ撃破で9季ぶり20回目の戴冠!《コパ・デル・レイ》

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リーガ3位になってもコパ優勝なら面目は立つ…/原ゆみこのマドリッド

「てことはレアル・マドリーが優勝した方がいいのね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、ようやくコパ・デル・レイ決勝前日を迎えて、来季のヨーロッパの大会出場権がどう配分されるのか、解説している記事を見つけた時のことでした。いやあ、確かにコパに関しては、アトレティコが2013年にマドリーを破って戴冠した翌年、アンチェロッティ監督第1期だったそのお隣さんが2014年に獲ったきりと、マドリッド勢はしばらくご無沙汰しているんですけどね。とはいえ、リーガの上位争いに顔を現わすことも稀なオサスナなど、2005年が初の決勝進出。当時、ベティスに負けて早や18年となる今季、2度目の決勝を迎えるとなれば、パンプローナのチームが優勝した方がドラマチックに思えるのは私だけ? ただ、そうも言っていられないのはコパ優勝チームには来季のEL出場権が与えられるせいで、ええ、もちろん、リーガ4位以内でマドリーがCL出場権もゲットすれば、そちらでプレーしますよ。その場合、リーガ5位と6位がEL、7位がコンフェレンスリーグ出場となるんですが、現在、リーガで10位のオサスナがコパ優勝でELに行くことになると、リーガ5位がEL、6位がコンフェレンスリーグ行きに。従って、このミッドウィークを9位で終え、7,8位とは勝ち点差1と手の届くところにいるマドリッドの弟分、ラージョもコパ決勝の結果次第では勝ち点差6ある6位まで上がらないと、来季はヨーロッパ遠征を楽しむという、ファンの夢を叶えられないことに。 いやまあ、実はこれだけでなく、来週木曜にEL準決勝ユベントス戦1stレグを迎えるセビージャが自前の最多優勝記録をSeptima(セプティマ/7回目の優勝のこと)に更新することにでもなれば、来季のCL出場権をゲットして、またコンフェレンスリーグ枠がなくなったりとか、審判委員会副委員長だったネグレイラ氏に長年、多額の報酬を支払っていたせいで、審判買収容疑がかけられているバルサがUEFA制裁を喰らい、来季のCL出場を認められなくなったりすれば、また状況は変わってくるんですけどね。 次節にアトレティコ、マドリーが勝ち点を落とし、バルサがエスパニョールに勝利すれば、いよいよリーガ優勝も決まってしまうため、この土曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、セビージャのカルトゥーハで開催されるコパ決勝が終わり次第、残り5節の焦点はヨーロッパの大会出場権争いと、火曜に一番乗りで2部降格が決まったエルチェにどの2チームが続くのかの方に移っていくはずですが、はあ。まずはその結果を導いたミッドウィークリーガのマドリッド勢の試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると。 この33節、トップバッターを務めたのはマドリーで、レアル・アレナでキックオフの笛が鳴った時には前の時間帯でバルサがコパ決勝の相手、スタメンほぼ全員をローテーションしていたオサスナに1-0で勝っていたことはわかっていたはずなんですけどね。それで勝ち点差14となったのが逆にチームの士気を削いだか、うーん、アンチェロッティ監督もピチチ(得点王)獲得の目標は一旦、脇に置いて、体力温存のため、出場停止のビニシウスと一緒にマドリッドでお留守番するよう、ベンゼマを説得。今季も実質、戦力外扱いのマリアーノを先発CFとして起用した辺りから、嫌な予感しかしなかったのは私だけではなかったかと。それでも幸い、前半は序盤にレアル・ソシエダのGKレミロがチュアメニ、ミリトンを、GKクルトワがダビド・シウバを弾いて、paradon(パラドン/スーパーセーブ)合戦を披露した後、14分にはスビメンディがゴール前からシュートをゴールバーに当てたぐらいで、0-0のまま、ハーフタイムに入ります。 そして後半が始まってたったの1分、マドリーの気の緩みが失点を導くことになるんですが、前回のアウェイゲーム、4-2で負けたジローナ戦同様、その主役はミリトンでした。ええ、クルトワからのゴールキックをエリア外左で受けたところ、詰めてきたセルロートをかわそうとして転倒。最後の瞬間に送ったバックパスを久保建英選手に奪われ、先制点を決められてしまうんですから、もう目が点ですって。おまけに悪いことは続くもので、8分に抗議でイエローカードをもらっていたカルバハルが16分、アイエンに乱暴なタックルをかけたとして、2枚目をゲット。リードされている中、1人少なくなるという逆境に陥ったんですが…。 いやあ、これがCL決勝トーナメントなどであれば、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)も期待できたんですけどね。アンチェロッティ監督も「Es verdad que en la cabeza de los jugadores están los partidos ante Osasuna y el City/エス・ベルダッド・ケ・エン・ラ・カベサ・デ・ロス・フガドーレス・エスタン・ロス・パルティードス・アンテ・オサスナ・イ・エル・シティ(選手たちの頭にオサスナとマンチェスター・シティとの試合があったのは本当だ)」と後で認めていた通り、この日のマドリーは半分以上、レギュラーを使っていたにも関わらず、最後までパッとせず。35分にはクルトワがバルネチェアのFKを好セーブしながらも、40分にはダビド・シルバのスルーパスを受けた同選手のシュートは防げず、最後は2-0であっさり、アウェイ2連敗を喰らってしまいましたっけ。 え、今季からソシエダに完全移籍したものの、まだマドリーが買い戻しオプションを持っていて、この夏は来季のチーム構想を練る際の検討対象になるはずだった久保選手が先制ゴールを挙げたのは、クラブフロントにとっても痛し痒しだったんじゃないかって?まあ、そうなんですが、当人は「このクラブの人たちがボクを望んでくれるなら、el año que viene voy a ser 100% txuriurdin/エル・アーニョ・ケ・ビエネ・ボイ・ア・セル・シエン・ポル・シエン・チュリウルディン(来季も自分は100%、青と白のユニのチームにいるよ)」と言っていましたからね。今は「Este triunfo nos da un plus de energía para conseguir el cuarto puesto/エステ・トリウンフォ・ノス・ダ・ウン・プルス・デ・エネルヒア・パラ・コンセギール・エル・クアルト・プエスト(この勝利はウチが4位を獲得するためのエネルギーのプラスになるだろう)」というイマノル監督の力になれて、9月からCLの舞台で自分の実力を披露するのが楽しみなんじゃないでしょうか。 一方、この敗戦で完全にリーガ優勝をギブアップした形になったマドリーでは、アンチェロッティ監督が「Tiene que despertarse, pronto/ティエネ・ケ・デスペルタールセ、プロント(目を覚まさないといけない、早々にね)」とミリトンに警告。「Hicimos otro regalo, espero que sea el ultimo/イシモス・オトロ・レガーロ、エスペロ・ケ・セア・エル・ウルティモ(ウチはプレゼントをしてしまったが、これが最後になることを期待している)」と試合後、強調していたのを書き添えておきますが、もう金曜にはトップチーム全員を連れて、マドリーはコパ決勝の地セビージャに移動。メンディ以外は皆プレー可能で、ジローナ戦でのハムストリングスの負傷から、驚異のスピード回復を遂げたモドリッチが先発するかどうかは、カルトゥーハでのスタジアムセッション後に決めるそう。アラバも復帰組ですが、こちらは火曜のCL準決勝マンチェスター・シティ戦1stレグでミリトンが出場停止となるため、温存もありうるかと。 何はともあれ、家のTVで見るにしても午後10時という遅い時間のキックオフだけに、「Creo que llevamos cuatro prórrogas... no nos importaría jugar una más/クレオ・ケ・ジェバモス・クアトロ・プロロガ…ノー・ノス・インポルタリア・フガール・ウノ・マス(ウチはここまで4回延長戦をやっていると思うが…もう1回やっても気にならない)」(アラサーテ監督)という、オサスナの狙い通りにはならないことを祈るばかり。実際、久々の2週間連続週2試合消化で疲れているはずの相手が、週2ペースが通常で、ベンゼマ、ビニシウスが休養十分のマドリーに延長戦を挑むのはちょっと、無謀なんじゃないでしょうかね。 そしてミッドウィークリーガに話を戻すと、水曜はアトレティコとヘタフェの番で、まったく誰が、一体何を考えて、両者のホームゲームを同じ時間に設定したのか。おかげで残留を争っている弟分も気になっていた私はメトロポリターノでカディス戦を見ながら、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継頼りとなったんですが、いよいよ選手たちを迎えるファンのクラブ歌アカペラ合唱が終わり、ラジオをつけた途端、飛び込んできたのは、「Penalti a favor de Getefe!/ペナルティ・ア・ファボール・デ・ヘタフェ(ヘタフェがPKをゲット)」という実況の叫び声だったんですよ。そう、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのセルタ戦が少し早く始まっていたようで、開始1分にエネス・ウナルがベルトランにエリア内で倒され、それがPKとなるなんて、そんなラッキーなことがあっていい? そのPKをウナル自身が決め、今度は「Gooool!」の絶叫を聞いているうち、眼下でも試合が始まったんですが、こちらも速攻でした。ええ、開始65秒、試合前に「Ya había hablado con Yannick que si él estaba muy adelante, que me buscara con el pase atrás/ジャー・アビア・アブラードー・コン・ヤニク・ケ・シー・エル・エスタバ・ムイ・アデランテ、ケ・メ・ブスカラ・コン・エル・パセ・アトラス(前に行きすぎていたら、バックパスでボクを探すよう、ヤニクに話していた)」というグリーズマンがカラスコの折り返しを受け、そのシュートが決まってゴールが入っているんですから、本当にせわしないっちゃありません。 ただ、先制点直後、3分にはピッチからrecogeplota(レコヘペロータ/ボール拾い)の子供たちを全て引き揚げ、その先、90分以上に渡る時間稼ぎ、ファールの多用と、懐かしきボルダラス監督流勝利の方程式を忠実に実践していた弟分とは違い、アトレティコはその後も最近、得意になったパスを繋いでの攻撃サッカーを継続。21分にはFKからモモのヘッドが、未だに頸椎捻挫が治らないGKオブラクに代わり、守護神となって3試合目になるゲルビッチを破り、ヒヤリとさせられたなんてこともあったんですが、大丈夫。27分、再び、グリーズマンが今度はレマルとのワンツーから、2点目のゴールを挙げたとなれば、安心してハーフタイムに入れますって。 そして後半2分には、前半はヘッドの際に敵にぶつかられ、ペナルティを訴えながらもお馴染みのスルーをされたり、至近距離のシュートをゴールバーに当てるなど、ツイていなかったモラタがエルモーソのアシストで3点目を入れると、10分には今季初となるPKがアトレティコに与えられるという奇跡まで起きることに。いやあ、レマルのパスがアルカラスの腕に当たったプレーには、「ベンチじゃ、腕の前に体に当たったから、取らないだろうと言っていた。実際、バルセロナでは取ってもらえなかったし。No sabemos cuando es penal o no/ノー・サベモス・クアンドー・エス・ペナル・オ・ノー(どういう時にペナルティなのか、そうじゃないのかわからない)」とシメオネ監督も半信半疑だったようですけどね。VAR(ビデオ審判)モニターを見た主審がPKを宣告したから、場内のファンもビックリしたの何のって。 それをカラスコが決め、とうとう4点差としたアトレティコでしたが、27分にはロサノのエリア外からのシュートでgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまうという、うっかりも。でもその1分後にはデ・パウルのスルーパスから、モリーナが5点目を挙げているとなれば、もう何も心配することはありません。そのまま5-1でカディスを下したアトレティコはとうとう、お隣さんを勝ち点差1上回り、2位に浮上。選手たちがピッチで2試合連続5得点のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)勝利を祝っている最中には、ロスタイムが6分あったコリセウムからも1-0でヘタフェがボルダラス監督のコリセウム帰還を6試合ぶりとなる白星で飾ったという朗報も届きます。ええ、33節終了後には18位で降格圏脱出ならなかったものの、17位のバレンシアと同じ勝ち点で並ぶという、あちらも残留に向けてポジティブな結果で終わったのは有難かったかと。 いやあ、それにしても不思議なのはこのリーガ4連戦、多くのチームが選手の疲労困憊を理由にローテーションを採用している中、アトレティコはほとんど同じ選手を使いながら、皆勤したグリーズマンを始め、誰も体力低下の兆候を示さなかったことで、いえ、サビッチやマルコス・ジョレンテの負傷や前節バジャドリー戦で20分程しかプレーしなかったメンフィス・デパイが今度はふくらはぎをケガしてしまったなんてことはあったんですけどね。これを見ると、やっぱりこのチーム、CLなどの週2試合ペースをこなすスタミナのある選手たちで構成されているとしか思えませんが、残念ながら、コパ決勝のparon(パロン/リーガの停止期間)に入る彼らの次の試合は14日(土)のセルタ戦。ヘタフェはその前日にマドリーとサンティアゴ・ベルナベウで兄弟分ダービーとなりますが、マンチェスター・シティ戦の狭間に当たる相手の隙を突けるといいですよね。 そして木曜、こちらも午後10時からの試合だったんですが、もう1つの弟分、ラージョがバジャドリーをエスタディオ・バジェカスに迎えることに。折しも前回のホームゲームではバルサを前に堂々勝利を飾っていたため、平日の遅い時間ながら、スタンドはかなりの盛況で、いえ、前半こそ、0-0で終わったんですけどね。後半3分にはアルバロ・ガルシアのクロスをRdT(ラウール・デ・トマス)がヘッドで決め、先制点をゲット。これが彼の復帰1号だったこともあり、場内が歓喜で包まれることに。 更に35分にはその交代でピッチに入ったカメージョが再び、アルバロ・ガルシアのアシストで2点目を入れた後、ここ2試合のホーム戦の恒例通り、終盤にはセルヒオ・レオンのヘッドで1点を返されたものの、そのままラージョは2-1で勝利。最後は3試合連続でファンと「Vida de pirata/ビダ・デ・ピラータ(海賊の人生)」を歌って祝っているんですから、連日、私も午前様をした甲斐があったというものです。 実際、バジャドーもまだ残留が決まっておらず、弟分仲間のライバルですからね。ホセ・ソリージャで勝利したアトレティコと一緒にマドリッド勢の援護射撃ができたのは良かったですが、返す返すも惜しいのは前節、降格目前だったエルチェに気が緩んで、4-0の大敗をしてしまったこと。それがなければ、ラージョが7位、もしくは6位に到達するのももう少し、楽になっていたかもしれないんですが、こればっかりはねえ。次は15日(月)のベティス戦まで試合のないイラオラ監督が、「Lo vamos a pelear/ロ・バモス・ア・ペレアル(ウチはそのために戦うよ)」と前向きだったのに期待することにしましょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2023.05.06 19:00 Sat
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